2024年1月15日、日経平均株価は6日連続の上昇を見せ、一時3万6000円を記録したことはニュースで大々的に報じられたため、経済に疎い方々の耳にも届いていることと思います。
1990年のバブル期以来となる約33年ぶりの高値水準となった日経平均株価に対し、「上がりすぎなのではないか」と不安の声が上がっていることも事実です。
そこで今回は、なぜ日経平均 上がりすぎと言われているのか、株価上昇の理由などについて解説します。
約33年ぶりに日経平均高値水準
日経平均株価は、2024年1月15日に6日続伸の3万6000円を付けて話題となりました。
この価格は、1990年のバブル期以来となる約33年ぶりの高値水準となります。
バブル崩壊後、アベノミクスが始まるまでは日経平均株価は高値を切り下げる下降トレンドを形成してきました。長らく不景気に悩まされていた日本の経済界ですが、2013年からアベノミクス政策の効果もあり、徐々に活気を取り戻してきました。
そして2023年には節目である3万円台に定着し、ついにバブル期以来の高値水準まで株価が回復しました。
ようやく先行きの明るさが見え始めたニュースでした。
日経平均 上がりすぎと言われる理由とは?
上記のように、長らく低迷していた日本経済界にとって先行きの明るい話題となった一方で、「日経平均 上がりすぎなのでは?」といった不安の声が出ていることも事実です。
その理由として、「バブル崩壊後最高値」や「バブル期以来の高値水準」などとバブルと関連付けて報道されているため、90年代のバブル崩壊を体験してきた人達の中には不安に思う方も一定数いるようです。
また株価が上昇し、景気が良くなるという話を聞くものの、我々庶民の生活も豊かになるほど恩恵をまだ受けれていないため、景気の良さよりも日経平均が上がりすぎだと感じる方もいます。
はたして実際のところ、日経平均は"上がりすぎ"なのでしょうか。
日経平均急騰の主な理由とは?
そもそも、なぜ日経平均がここまで上昇しているのでしょうか。
様々な要因が重なっているため、「これだ」というものはありませんが、特に意識されているであろうポイントをいくつかご紹介します。
日本株が海外投資家からの注目を集めている
日本の株式市場は長い間、海外投資家からなかなか注目されずにいました。
しかし、投資の神様と呼ばれるウォーレンバフェット氏が日本株への投資をしているという情報が出回り、海外の投資家達は一斉に日本株へ注目するようになりました。
長い間評価されてこなかった日本株は、割安感のある企業が多くあり、海外からのマネーが流入することにより株価の底上げとなりました。
新NISA制度の開始
2024年1月から始まった新NISA制度の影響も忘れてはいけません。
日本国内では、「投資は危険」や「貯金が1番」という考えが根付いており、なかなか個人で投資をするという考えを持つ人が少なく、実際に投資をしている人に対しても「大丈夫なのか?」と心配する人も多くいました。
しかしここ数年で、政府も国民に対して投資を推奨する働きがあり、新NISA制度による税制面の優遇や正しい投資の知識が普及してきています。
これまで投資に興味がなかった人や、誤った認識をしていた人も投資を始める良い機会となったのは間違いありません。
東証による企業への呼びかけ
東京証券取引所は2023年3月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」という"異例の声明"を発表しました。
これは簡単に説明すると、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に対して、どのように収益性を高めるかの方策を提示・説明して実行するようにと求めたものです。
これにより企業は新たな設備や人員への投資を強化し、結果として事業の拡大・収益性の向上へと繋がったため、株価も上昇したのではないかと考えられます。
※PBR(株価純資産倍率)とは、「株価÷1株当たりの純資産」で求められ、一般的には数値が高いほど割高、低いと割安と判断します。
まとめ
日本国内でも投資を始める人が増えてきている中、日経平均株価がバブル期以来となる高値水準まで上がりました。
バルブを経験した人のなかには、日経平均 上がりすぎだと感じる人も居るようですが、これは日本株がようやく正当な評価を受け始めているための上昇なのではないかとも考えられます。
もちろん投資に"絶対"は無いため、全て自己責任の世界ですが、新NISA制度もスタートしたこのタイミングで投資を始めてみるのも良いかもしれません。