ブロックチェーン技術を利用し、デジタル資産として世界中の人々が売買しているNFT。絵や音楽、ゲームなど幅広いジャンルに普及し、過去にはNFTアートが79億円で落札され大きな話題になりました。そんなNFTアートですが、最近では「もう売れない」と噂になっているようです。今回この記事ではNFTアートについて解説していきます。
NFTアートはもう売れないって本当?
「NFTアートはもう売れない」と噂されていますが、今後も売れる可能性は高いです。NFTは、以前の盛り上がりに比べたら現在は落ち着いているため「オワコン(終わったコンテンツ)」と言われています。しかし、NFTはまだまだ可能性を秘めているコンテンツなので今後もNFTアートが売れる可能性は高いでしょう。
NFTアートでの成功事例を紹介
NFTアートで成功した事例を紹介します。
複数のサルの絵が数億円で落札
2021年にサルの絵がモチーフのBAYC(Bored Ape Yacht Club)がリリースされ、高額で取引されました。最高額は約3.9億円で他にも約3.3億円、約1億6000万円で取引されています。BAYCはマイアミ州のYuga Labsという企業が発売したNFTで、富豪のインフルエンサーがX(旧Twitter)のアイコンに利用したことで人気が爆発した作品です。
ちょっとしたきっかけで、1つの絵が数億円で売買されるのがNFTドリームです。NFTアートを制作している多くのアーティストはこのNFTドリームに憧れて作品を販売しています。
2次創作でNFTアートを発売し成功
鴨川優香さんは、「Azuki」の公認ファンアート絵師として人気となった人物です。日本のアニメとストリートファッションを融合したキャラクターが特徴のNFTコレクション「Azuki」のファンアートを販売し、日本だけでなく海外でも多くのファンを獲得しています。鴨川優香のNFTアート作品を集めたメタバース空間の美術館も公開されました。
世界中のNFTホルダーから支持を得て、NFTドリームを掴んだイラストレーターの1人です。
NFTアートを売るためのコツ
NFTアートを販売するにあたって、何もしなければどんなに良い作品でも売れる可能性が下がります。ここでは、NFTアートを少しでも売るための方法を紹介します。
コンセプトを決める
制作するNFTアートはコンセプトを決めると良いでしょう。例えばサルをモチーフにしているBAYCは「A swamp club for Apes(類人猿の沼地クラブ)」というコンセプトになっており「NFT沼に入り浸る」という意味合いを持っています。
コンセプトを決めることで製作するNFTアートに統一感が生まれるため、共感したコレクターが購入するようになります。
宣伝する
自分が製作したNFTアートは宣伝しないと誰も見てくれません。SNSなどで積極的に宣伝していきましょう。オープンシーなどのマーケットプレイスでは、1つでも売れていれば「この人のNFTは売れている」と思って買ってくれるコレクターが現れるかもしれません。友人などにも宣伝して1つでも購入してもらえるようにすると良いでしょう。
インフルエンサーに売り込む
サルのNFTアートBAYCが高額で売られるようになったのは、インフルエンサーがSNSのアイコンに使用したことがきっかけです。同じようなNFTアートでもインフルエンサーが購入して宣伝してもらうだけで圧倒的差になります。インフルエンサーも人によって好みがあるので、好きなインフルエンサーが購入してくれそうなNFTアートを制作してみるのも良いでしょう。
お金を払ってインフルエンサーに宣伝してもらうという手もありますが、インフルエンサーと仲良くなって自然な形で購入して宣伝してもらう方が宣伝効果は大きいと思います。
市場規模が大きいブロックチェーンを選ぶ
オープンシーなどのマーケットプレイスでは、取引高ランキングが表示されており、イーサリアムベースのNFT作品が上位を独占しています。オープンシーではイーサリアムブロックチェーンのガス代が無料となっていますが、他のマーケットプレイスでは高額なガス代を支払う可能性があるので注意しましょう。
NFTの今後の可能性
NFTは今後も可能性を秘めたコンテンツです。ここではNFTの今後の可能性について紹介していきます。
市場規模が成長している
米国のマーケティング企業によるNFTの市場規模レポートによると、2024年から2030年にかけてNFT市場の年間平均成長率は34.5%成長すると予測されています。
また、マーケットプレイス全体でのNFT取引量も成長しており、2022年11月では5億7000万ドルだった取引量が2023年2月には19億ドルの増加です。
これらの調査からNFT市場は今後も成長し盛り上がることが予測されています。
大手企業の参入
NFT市場には、様々な大手企業が参入を始めています。日本ではスクウェア・エニックスやバンダイナムコなどの大手企業がNFTゲームに参入しています。他にもソフトバンクやKDDI、メルカリなども参入しているため、NFTが今後も日本で盛り上がっていくことが予測されています。
メタバースとの親和性
NFT作品はメタバースと非常に相性が良いと言われています。メタバースとは、仮想空間でユーザー同士のコミュニケーションやNFT作品の売買がおこなえるサービスです。
多くの企業がメタバースを開発しており、最近ではバーチャルアイドルグループ「ホロライブ」を運営しているカバー株式会社がメタバースプロジェクト「ホロアース」をリリース。ユーザーが作成した衣装をマーケットで売買できるシステムなどが話題になりました。現在ホロアースでNFTの売買の実装はされていませんが、今後の導入に期待の声が挙がっています。
使用用途が増えている
NFTの使用用途は徐々に増えていることから、今後も盛り上がることが予想されています。現在はNFTアートやNFTゲームのアイテムなどの他に、会員権や卒業証明書など様々な用途に広がっています。
日本政府もNFTを成長戦略の1つとして位置付けており、大阪万博ではNFTアートの配布を実施。NFTをより身近なものにしようと努めています。
まとめ
今回は、NFTアートが売れないと言われている噂や成功事例を紹介しました。NFTアートを売るには、SNSなどで宣伝し、インフルエンサーが購入してくれるとNFTドリームを手にする可能性が高まります。イラストレーターでNFTに興味のある方は、この機会にNFTアートに挑戦してみてはいかがでしょうか。