WindowsやMacに加えて新たに登場したChromeOS。最近では企業用PCとしてChromeOSが搭載されているノートパソコン「Chromebook」を利用するところも増えています。ChromeOSではCroshというコマンド操作できるシェル環境があることをご存じでしょうか。今回この記事ではCroshのコマンドについて解説していきます。
Croshのコマンド一覧
Croshで使用するコマンドを用途別に紹介します。
基本コマンド
Croshの基本的なコマンドを紹介します。
コマンド | 内容 |
help | 一般的なコマンドを表示します。 |
help_advanced | helpコマンドより詳細なコマンド一覧を表示します。 |
help [コマンド] | 入力したコマンドのヘルプを表示します。 |
set_time | 時間を設定します。 |
exit | Croshを終了します。 |
システム情報を取得
システム情報を取得できるコマンドを紹介します。
コマンド | 内容 |
top | システムのリソース使用状況(CPU使用率やメモリ使用率など)をリアルタイムで表示します。 |
battery_test | Chromebookのバッテリー状況を確認できます。充電レベルや残量、充電サイクル数などが表示されます。 |
free | メモリの空き容量と使用容量などが表示されます。 |
enroll_status | デバイスの登録情報を確認できます。 |
ipaddrs [-4][-6] | IPアドレスを表示します。オプションに-4を入力するとIPv4アドレス、-6を入力するとIPv6アドレスが表示されます。 |
uname | システム情報を表示します。 |
uptime | 現在時刻を表示します。 |
ネットワーク関連コマンド
ネットワーク関連のコマンドを紹介します。
コマンド | 内容 |
connectivity | 接続しているネットワーク情報を表示します。 |
ping [アドレス] | パケットを指定のアドレスに飛ばし、返ってきた結果をもとに通信が行える状態かどうかを確かめる時に使用します。アドレスを入力しない場合は、デフォルトでIPv4アドレスが使用されます。 |
route [-4][-6][--all] | ルーティングテーブルを表示します。オプションによってIPv4やIPv6のルーティングテーブルをそれぞれ確認できます。すべてみたい場合はオプションに[--all]を入力します。 |
tracepath [-4][-6] | ネットワークホストのパス・ルートをトレース表示します。デフォルトではIPv4のパス・ルートが表示されます。 |
modem | 3Gモデムを操作するコマンドです。オプションにコマンドを入力することでモデムの接続や構成設定を行います。 |
wifi_power_save | Wi-Fiの省電力モードを有効/無効化します。このコマンドはシステム再起動後無効になります。 |
開発者用デバッグコマンド
開発者向けのデバッグコマンドなどを紹介します。
コマンド | 内容 |
syslog | システムログメッセージを記録します。 |
bt_console | Bluetoothデバッグコンソールを表示します。 |
shell | コマンドラインシェルを開きます。 |
evtest | evtestをセーフモードで実行します。 |
display_debug | ディスプレイ関連問題を再現する際のログ収集を支援するツールです。 |
rollback | 以前のChromeOSアップデートに戻します。これによりデバイスのPowerWashが実行されます。 |
Croshの基本操作
Croshの基本操作を紹介します。
Croshの起動方法
ChromeOSでCroshを起動する方法は以下の通りです。
- Chromebookのデスクトップ画面を表示します。
- キーボードで「ctrl + alt + T」キーを押します。
- Croshが開き、シェルプロンプトが表示されます。
コマンドの実行方法
Croshでコマンドを実行するには、実行したいコマンドを入力してEnterキーを押すことで実行します。
プロセスを中断する方法
実行したプロセスを中断したい場合は、「ctrl + C」キーを押すことで中断できます。
Chroshを終了する方法
Croshを閉じる場合は、Exitコマンドを入力してEnterキーを押すことで終了できます。
過去のコマンド履歴を見る方法
Croshでキーボードの上下キーを入力することで過去に使用したコマンドが表示されます。表示された状態でEnterキーを押すことで実行可能です。
Chromeブラウザでのコマンド紹介
ChromeブラウザでもURL欄にコマンドを入力することで様々な機能が利用できます。ここではChromeブラウザで利用できるコマンドを紹介していきます。
ブラウザのバージョン確認
ChromeブラウザのURL欄に「chrome://version」を入力し、Enterキーを押すことでChromeブラウザのバージョンを表示します。
URLコマンド一覧表示
ChromeブラウザのURL欄に「chrome://about」を入力してEnterキーを押すことで、URLコマンド一覧を表示します。
AIと会話
Googleが提供しているAI「Gemini」とチャットできます。URL欄に「@Gemini」を入力後、質問したい内容を入力し、Enterキーを押すことでGeminiの画面を開いて回答を受け取れます。
簡単な計算も可能
ChromeブラウザのURL欄に計算式を入力すると自動で答えを返してくれます。例えば「12*34」や「34/12」などと入力するだけで答えが表示されます。Enterキーを押す必要はありません。Enterキーを押した場合は計算機が表示されます。
ドキュメントやスプレッドシートを新規作成
GoogleドキュメントやスプレッドシートなどをURL入力で行えます。新しいドキュメントを作りたい場合は「docs.new」、新しいスプレッドを作りたい場合は「sheets.new」、新しいプレゼンテーションを作成したい場合は「slides.new」を入力してEnterキーを押すと各アプリケーション画面が開きます。
各ファイルの保存先は、利用しているアカウントのGoogleドライブになります。
ChromeOSとは
ChromeOSとは、Googleが開発したオペレーションシステムでChromebookなどのデバイスに搭載されています。WindowsやMacなどのOSに加わる新たなOSとして注目が集まっています。
Linuxをベースにしており、Google ChromeブラウザをメインのUIとして使用。すべてのアプリケーションはウェブアプリケーションという形でChromeにインストールされ、実行されます。
ChromeOSの特徴
ChromeOSの主な特徴は以下の通りです。
- クラウドベース:ほとんどの作業がウェブクラウド上で完結可能
- 高速:UIがChromeブラウザのため起動が早く動作がスムーズ
- 操作が簡単:UIがシンプルなので操作が簡単
- 安い:Windowsパソコンに比べて安価なモデルが多い
- セキュリティ性が高い:すべての工程がサンドボックス化されており、Googleのセキュリティチップが搭載されているためセキュリティが高いと評判
ChromeOS Flexについて
2022年7月にChromeOS Flexが正式リリースしています。ChromeOS Flexは既にサポートが終了している中古のパソコン(Microsoft Windows、macOS問わず)にインストール可能。従来のハードディスクドライブ方式等の低スペックのパソコンにも対応しています。
そのため、学校や企業などで安価なパソコンにChromeOS Flexを入れている所が増加中です。
まとめ
今回は、ChromeOSのCroshコマンドについて解説しました。Croshを利用することで様々な事ができるようになるので今回紹介したコマンドを用途によって使い分けてみてください。ChromeOSはWindowsOSやmacOSに次ぐ新たなオペレーションシステムとして注目を浴びています。
古いパソコンにインストールできるChromeOS Flexもあるので、興味のある方はこの機会にChromeOSを利用してみてはいかがでしょうか。